リモートワークでも問題なし! Workatoで実現した捺印申請処理の完全デジタル化
各業務において、平均100時間前後、年間コストの削減ができています。あとはWorkatoで処理を自動化すると、人為的なミスが減ったというところも大きな改善点だと思っています。

大脇 智洋 様
IT戦略部 部長
石橋 秀一 様
IT戦略部

株式会社ディー・エヌ・エーは、エンターテインメントと社会課題領域の両軸で事業を展開しています。

東京都

従業員数 2100+

インターネット
関連事業

課題
RPAでの自動化の問題点
ガバナンス・セキュリティ機能
フレキシブルな開発環境
API連携の必要性
クラウド・オンプレミスでの動作
IT戦略部では、従業員が本来のミッションである「クリエイティブな価値の創出」にフォーカスできるよう、時間のかかる手作業の定型業務の効率化を推進してきました。2017年に始まった初期の取り組みとしては、RPAを用いた人事やバックオフィス関連業務の自動化でした。そこから、さらに各部署のエンドユーザー自身で開発をするEUC(エンドユーザーコンピューティング)型のRPAの利用も進めてきました。しかし、RPA特有の問題である、SaaS側のUI変更で動作しなくなるという難点が浮上し、より安定性の高い動作を求めAPI連携が必要とわかり、iPaaS製品の活用が方針として上がりました。
API連携という要件以外にも、下記も必須項目でした。
- IT戦略部でガバナンスやセキュリティを管理する機能
- オンデマンド、スケジューラー、トリガで自動化ワークフロー(以下レシピ)を走らせることができること
- クラウドとオンプレミスの両環境で動作し、ブラウザ上でレシピ開発・操作ができること
- 開発したレシピを部品化し、再利用できること
さまざまなiPaaSやAPI連携のできる製品がある中で、上記を満たすベストなソリューションはどれなのか、それを見極める必要があったのです。また、社内の要望として上がっていた、全社員が日常的に行うSlackチャンネル作成・メンバー招待・Googleグループ作成の処理を効率化することと、Adobe® Signと連携し紙ベースで行われていた捺印プロセスを完全デジタル化することも視野に入れ、さまざまなiPaaS製品を比較しながら最適なソリューションを探していました。
解決策

解決策
ガバナンス・セキュリティの標準実装、フレキシブルな開発環境
kintoneとSlackの連携により、チャンネル作成申請の処理・メンバー招待処理を自動化
かつては紙上で行われていた捺印の申請・処理を、kintoneとAdobe® Signの連携により完全デジタル化
kintoneとGoogleグループとの連携により、グループ作成を自動化
#1 – ガバナンス・セキュリティの標準実装、フレキシブルな開発環境
Workatoに標準実装されている、ガバナンスやセキュリティ機能により、社内でのデータアクセス権限などをコントロールすることが可能となりました。また、オンプレとクラウド両方の環境に対応していることと、直感的な開発環境でレシピの作成ができること、さらにはレシピを部品化して再利用できるという汎用性の高さが、要件を満たす自動化システムの短期間開発を可能にしました。
#2 – kintoneとSlackの連携により、チャンネル作成申請の処理・メンバー招待処理を自動化
ユーザーがkintone上でSlackチャンネル作成の申請をすると、自動でSlackチャンネルを作成。それと同時に、kintone上でのタスクステータスを「作業中」「完了」などに自動更新。kintoneに入力されたユーザー招待申請も自動で処理、ステータス更新を行っています。
#3 – かつては紙上で行われていた捺印の申請・処理を、kintoneとAdobe® Signの連携により完全デジタル化
申請者がkintone上で捺印申請を行うと、申請フォーム内に記載されているメールアドレスに対し、Adobe® Signから電子サイン承認の依頼メールを送信。電子サインが承認されると、Adobe® Sign上のステータスが「承認済み」となり、kintone側にその承認済みドキュメントを登録しステータスを「完了」に更新。kintoneの申請やAdobe® Signステータスの読み取りは、Workatoのスケジュール機能により1時間に一度実施されています。さらには、当初Workatoと接続をするためのAdobe® Signs用コネクタがなかったため、自作をする必要がありましたが、マニュアルにRuby on Railsでコネクタを作成する手順が載っていたため、それに沿い作成することが可能でした。将来、接続コネクタが用意されていないアプリとの連携ニーズがある場合でも、自作すれば可能となるということがこの経験を元に分かり、Workatoの拡張性の高さをより認識することができました。
#4 – kintoneとGoogleグループとの連携により、グループ作成を自動化
毎営業日朝9時に、Workatoよりkintone上の申請有無を確認。未処理のGoogleグループ作成申請がある場合、自動でGoogleグループ作成をし、kintone上のステータスを「完了」に更新。

結果
Slack上でのチャンネル申請から作成までの自動化で年120時間削減
Adobe® Signとの連携による捺印申請のデジタル化で年192時間削減
業務を自動化することによる人為的なミスの排除
Slackのメンバー招待処理の自動化で年84時間削減
全社員3,000名分のマニュアル業務の自動化
Workatoで、時間のかかるマニュアル定型業務を自動化したことにより、IT戦略部におけるシステム運用の業務効率化を実現できました。具体的には、Slackチャンネル作成処理の自動化で年120時間、メンバー招待処理の自動化で年84時間、捺印申請の自動化で年192時間ものオペレーショナルのコストが削減できています。時間的な効率化以外にも、人為的ミスを最小限にできたというのは、大きな成果です。
自動化システムの開発期間においては、他業務を行いつつも2〜4ヶ月で作り上げることができ、コネクタの自作が必要な場合もトータル6ヶ月ほどで完成させることができました。今回は、初めてのiPaaSの導入でしたが、直感的な環境と、豊富なマニュアル・ドキュメント、Workatoチームによる迅速・的確なサポートのおかげでスムーズに短期間で開発することができました。
今後直近で試してみたいこととしては、SlackのWorkbotを使用したエラー管理機能の追加です。現状、自動化処理中にエラーが発生した際には、Slackからの通知を受け担当者がエラーメッセージの対応を行っているのですが、各エラーの「対応済/未対応」ステータスを直感的に見ることができません。その部分を、Workbotによってエラー通知と共にSlack上に完了ボタンを置き、処理後にそのボタンを押せば、わかりやすくSlack上で表示されるといった機能を追加したいと考えています。