社員入社時の人事総務プロセスの自動化により、
1時間の作業を1~2 分に短縮
“
延べ8人が、1人の入退社で、全部合わせると1時間以上かかっていた仕事が、1~2分で自動完了するようになった。


宮本 眞一 様
取締役・経営企画部長 IT部門責任者

松島 健悟 様
主査 インフラ担当
アールシーコア株式会社は「Bess」というブランドでログハウスをはじめとする木造戸建の「自然派個性住宅」を企画・製造・輸入・販売を行っている住宅メーカーです。

東京都

従業員数 300+

住宅事業

課題
複数アプリへの重複データ入力作業
新入社員入社時の時間のかかる手作業
RPAでの自動化に限界
Bessブランドでおなじみ、ログハウスなど自然派個性住宅の企画・製造・販売事業を展開する株式会社 アールシーコアの取締役 宮本氏は、ITシステムの全面刷新の役割を担っています。インフラ担当の松島氏と共に、各種業務を自動化することで生産性向上を目指し、社内ソフトウェア間の連携やデータの一元管理・統合を目指しています。
従業員情報や入退社の管理ができる人事システムに、ジョブカン(株式会社Donuts)とカオナビ(株式会社カオナビ)を導入していましたが、これまで、双方のサー ビスに対し手動にてデータを入力し、情報の整合性を維持していました。しかし、社員入社や社員情報更新のたび手作業登録が行われており、業務の生産性向上をするには既存データの再定義と共に、ジョブカンとカオナビ間でのデータ連携の仕組みを構築する事が第一の課題として浮上しました。さらには、社員入社時に発生する、Active Directoryでのアカウント作成業務や、 各担当者毎のタスク進捗をTeams上で自動管理するシステムも必要でした。
初期構想では、大掛かりなERPが候補に出たのですが、将来的に増えるであろう新サービスへの対応といったような柔軟性確保には不向きだと判断しました。また、他部署で既に導入済みのRPAの使用も検討しましたが、SaaS側のUI変更により、メンテナンスが頻発するという問題があったため、API連携のできるiPaaSソリューションを探索していました。
また、機能面では、ジョブカンからのAPIが提供されていないため(2021年10月現在)、データ抽出にはオンプレのサーバー に保存されるCSVファイルを読み込む機能が必要であり、オンプレミスとクラウドの両方に対応できる自動化プラットフォームが必須でした。
自社のITチームでワークフローの開発・拡張をするため、自動化プラットフォーム側の技術サポート体制や属人化しない開発環境も重要な要素でした。

解決策
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ジョブカン内のデータをカオナビと共有・同期
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ジョブカンとActive Directoryの連携
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ジョブカンとTeamsを連携し、タスクの管理やメールの自動送信を実施
#1 – ジョブカン内のデータをカオナビと共有・同期
ジョブカンの従業員情報CSVをオンプレミスサーバー上のWorkatoオンプレミスエージェントを使用して読み込み、従業員情報を解析。アップデートされたデータを認識してカオナビへ自動入力することにより、最新の従業員情報の同期を行い、サービス間で一貫性のあるデータ管理を実現しました。
#2 – ジョブカンとActive Directoryの連携
ジョブカンからのCSVデータを解析することにより、社員の入退社ステータスを認識し、WorkatoからActive Directory へ自動的に命令をだし、Windows関連のアカウント・メールアドレスの自動作成、複合機の認証ID・ログオンスクリプト設定の自動登録を実現しました。
#3 – ジョブカンとTeamsを連携し、タスクの管理やメールの自動送信を実施
社員の入社ステータスを認識すると、Teams上で各担当者に対し、名刺作成や電話機設定など、社員の入退社に関わるタスクやリマインダの設定を実施し、各担当者の進捗状況把握を可能としました。また、新入社員に必要な名刺などのサプライを発注するため、業者へ依頼メールを自動送信するようにしました。
さらには、上記の要件に加え、セキュリティ・ガバナンスの機能がWorkatoプラットフォームで標準実装されていることは、個人情報を扱う上では必須でした。また、ノーコード・ローコードでレシピ開発を行うことにより最短時間での実装ができ、属人化しない引き継ぎが容易となるシステムを作り上げることができました。

結果
ローコード・ノーコードのプラットフォームであること、Workatoオンボーディング・サービスを通じたサポートにより、複雑な人事総務関連の自動化処理システムを、1名のレシピビルダーで約1ヶ月で構築することができました。iPaaSを導入することにより、今までエクセルから複数アプリに対し社員情報を手動で入力していた作業が、すべて自動化されました。また、新入社員情報をもとに社内アカウント作成や、複合機などの認証ID登録をするといったマニュアル業務を完全自動化し、プロセス管理やリマインダ設定も自動で行われるようになりました。その結果、入退社手続きにかかる時間を97%削減することに成功し、自動化で削減されたリソースで経営判断が迅速にできるようになりました。
今後のプロジェクトとしては、RPAプラットフォームであるBizRobo!(RPAテクノロジーズ株式会社)との連携を検討しています。日本国内でのユーザーがどんどん増え、さまざまな国産のサービスに対応できるAPIが増えたり、レシピやユースケースが増えていくことを期待しています。近い将来の例としては、施工管理業務を自動化するためにダンドリワーク(株式会社ダンドリワーク)との連携を視野に入れています。
