目次

要旨

本レポートでは昨年に続き、急速に変化する世界に合わせ変貌する人々の働き方について、動向調査を通してご紹介しています。このスピードと俊敏さを確保するために自動化が導入されていることは誰もが知っているところですが、実際に組織内で自動化に取り組んでいるのはエンジニアやIT部門だけではないということを認識している人は少ないかもしれません。

背景は以下の通りです:

今日、顧客はデジタルネイティブであり、顧客から寄せられる期待はかつてないほど高くなっています。オンラインへと移行するサービスは増える一方で、従業員は分散しています。ビジネストランスフォーメーションの実現には、俊敏さとスピード、スケール、生産性が必要です。

しかし、ITや技術の専門家だけに頼ってこのビジョンを実行しようとすると、一度に完了できるプロジェクトは数件に限定され、その規模を拡大することができなくなります。そのため、IT以外の部門もビジネストランスフォーメーションに取り組む必要がありますが、リスクが生じないように「ガードレール」を設けなければなりません。

今や、従来の技術的スキルやコーディングスキルを持たない従業員、あるいはビジネステクノロジストが、ローコード/ノーコードのプラットフォームで新しいソリューションを生み出すことができるようになりました。この傾向は今後も続くと考えられます。

Gartner*は、「2024年までにテクノロジー製品・サービスの80%は、フルタイムの専門の技術職ではないユーザーによって構築されるようになる」と予測しています。

*Gartner、「Top Trends for Tech Providers for 2022: The Democratization of Technology」(「2022年のテクノロジープロバイダーのトップトレンド:テクノロジーの民主化」)、Mark Driver、2022年2月1日。Gartnerは、米国およびその他の国におけるGartner, Inc.の登録商標またはサービスマークであり、本書では同社の許可を得て使用しています。無断複製、転載を禁じます。

自動化:大幅に平準化が進む

どの部門が自動化を行うか、また、誰が自動化を構築するかという両方の側面において、今後は平準化が大きく進むとWorkatoは予測しています。自動化はIT部門だけで行うものではなく、組織内のすべての部門が利用でき、より効率的に、より良いビジネス成果を生み出す機会を創出するものです。

ビジネスリーダーは、自動化によって問題を解決することが、ビジネスのアジリティ、イノベーション、価値実現までの時間の短縮につながることを理解していますと、WorkatoのFuture of the Enterpriseリサーチ責任者のMassimo Pezziniは述べています。

今回の調査結果からは、2021年も自動化がIT部門に留まらず、組織全体に広がる傾向が続いていることがわかりました。現在、66%の組織が5部門以上で自動化を採用しており、7部門以上で自動化を行っている組織の数は、2019年からほぼ3倍に増加しています。

自動化が進んでいる部門についてですが、昨年は自動化された全プロセスの40%近くを占めていたのはIT業務の自動化でしたが、今年はその割合が25%と減少しています。

徐々にIT部門以外で構築される自動化の割合が増加傾向にありますが、誰が構築しているのでしょうか。実は、自動化の23%は、ビジネスオペレーションに携わる技術部門以外のユーザーによって構築されており、これはビジネスとIT両部門の人員の中で最も高い数値になっています。

ITの役割の変化:デリバリーからイネーブラーへ

その結果、ITの役割は社内プロジェクトを遂行することから、ビジネスを支援するイネーブラーへと変化しており、この変化によってITの価値をさらに高めています。ビジネスとITの関係はプレーヤーとコーチのようなもので、コーチはプレーヤーがベストを尽くせるようにサポートとガイダンスを提供します。

社内で自動化に取り組む割合が増えるにつれ、IT部門は、トレーニング、コンサルティング、ベストプラクティス、適切なガイドライン、そしてあらゆる種類のサポートサービスを提供し、ビジネステクノロジストを奨励・支援することで、社内での自動化の効果的かつ安全な利用をサポートしなければならなくなります。

このモデルでは、IT部門はビジネス部門の戦略的パートナーとなって、プロジェクトを作成することができます。IT部門は引き続き新規プロジェクトを管理することができますが、ビジネス部門はその運営に責任を持つようになります。

ITはビジネス部門の支援をしなければいけません。ローコード/ノーコードツールにより、ビジネス部門でも率先して取り組めるような環境となった今、私たちはその状況を受け入れ、彼らとパートナーになる必要があるのです と、WorkatoのCIOであるCarter Busseは言います。

統計によると、最も急速に自動化が進んでいるのは、セールス、マーケティング、財務/経理、人事、カスタマーサポートなどのビジネスオペレーション部門であることがわかっています。例として、DataOps の自動化は、昨年比で332%増加しており、セールスオペレーションとマーケティングオペレーションにおける自動化普及率は、過去1年間で200%以上伸び、最も自動化されたプロセスのトップ10にランクインしています。

本レポートでは、Workatoの企業顧客から収集し匿名化したデータをもとに、組織の現場でどのように自動化が進められているかの統計結果をご紹介しています。2021年2月から2022年1月にかけて、約900社の中堅企業から大企業を対象に、最も頻繁に自動化されているワークフローは何か、そしてそのワークフローを構築するためにはどのようなアプリケーションが使用されているかを調査しました。

それでは、主な調査結果のまとめを以下にご紹介します。

調査結果のまとめ(グローバルデータの統計)

導入の敷居が下がったことで、自動化の利用が飛躍的に増加
自動化の導入は2020年以降大幅な成長が見られており、2021年は前年比2倍となりました。たとえば、ビジネスインテリジェンスの自動化は1074%、カスタマーサポートでは666%、ファイナンスでは659%増加しています。オートメーションテクノロジーが身近になり、企業がそれを活用して新しいソリューションを生み出しているのです。

自動化を採用する部門が急増中
2019年から比較して、7部門以上で自動化を推進している組織は約3倍に増加しました。また、自動化を採用する部門も徐々に変化しています。昨年はITオートメーションが自動化された全プロセスの約40%の割合を占めていましたが、今年はその割合が25%と減少しています。

「自動化をビルドするチームとして、ITチームの割合が小さくなっていることは、本当に驚くべきことです。この現状は、適切なガイダンスとガバナンス、そして適切なツールが用意されていれば、ビジネスユーザーでも安心して自動化に取り組めることを証明しています」とWorkatoのCIO、Carter Busseは述べています。

HRオートメーションは、今後も企業にとって重要な課題であり続ける
優秀な人材の獲得競争が続き、「場所に縛られない働き方(Work From Anywhere)」が当たり前になるにつれ、人事チームは自動化を利用して、入社プロセスの早い段階から従業員エクスペリエンスを向上させようとしています。その結果、採用プロセスの自動化は昨年より316%も増加しました。

「特定の業界に限らず、採用においての応募者のエクスペリエンスは極めて重要です。優秀な人材には他にもさまざまな企業に応募する機会があるため、人材を失うことのないよう無駄な時間を省き、スムーズなプロセスを実行する必要があります。採用プロセスを自動化することにより、応募者への定期的なフォローや円滑なコミュニケーションが可能になり、結果、採用段階からの従業員エクスペリエンス向上につながります」と、Workatoのタレント&ダイバーシティ担当バイスプレジデントのKerry Mooreは述べています。

財務/経理は最も自動化の利用が多かった部門
財務部門での自動化は、IT部門をわずかに上回り、全オートメーションプロセスの割合の26%を占めました。O2C(Order-to-Cash:受注から入金)は、自動化されたプロセスの上位に引き続きランクインしています。R2R(Record-to-Report、記帳から報告)の自動化も290%増と大きく伸びています。

データドリブンで生み出される、ITによるビジネス戦略的価値の創出
企業は、よりデータドリブンになること、そしてデータの利活用によりリアルタイムに意思決定することを目指しています。DataOpsは、過去1年間に自動化が3倍増加したトップ部門の1つです。

「IT部門がビジネスの成果を促進するための影響を及ぼし、最も貢献できることの一つとして挙げられるのは、優れたデータをビジネスに提供することです。これこそ、ITが戦略的になり、真の価値をもたらすことができる方法だと思います」と、Carter Busseは述べています。

自動化の促進は世界的な流れ
今年は、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)とAPJ(アジア・太平洋諸国、日本)における組織で、どのように自動化が進んでいるかを明確化するため、地域別データも調査・統計を取りました。EMEAでは、インサイトやアナリティクスなどのプロセスオートメーションが進み、過去1年間で403%の伸びを記録しているほか、R2Rなどの財務プロセスやITオペレーションも伸びています。APJでは、財務オートメーションの普及が進み、過去1年間でR2Rが569%、P2P(Procure-to-Pay、調達から支払)が514%増加してます。また、マーケティング業務とカスタマーサポートのプロセス自動化もAPJでは上位を占めています。

ここからは、本調査のデータ分析から明らかになった、各部門でトレンドとなっている自動化プロセスやその他の動向について、さらに詳しく見ていきましょう。

自動化を採用する部門が急増中

自動化を採用している組織の中では、28%が社内7部門以上でオートメーションを利用しており、2019年と比較すると3倍の割合となっています。2020年は、大多数の企業が1~2部門でのみプロセスのオートメーションを進めていましたが、2021年には、大多数が7部門以上にて自動化に取り組んでいます。ツールのコンプライアンス機能とガバナンス機能が向上したおかげで、全社的な自動化を推進する組織が増え始めています。

業界別 自動化の伸び率

自動化を活用している業界 トップ10

一般的に、テクノロジー企業では他業界と比較して自動化への取り組みが進んでいると考えられており、本調査によるとWorkatoユーザーにも同様の傾向が確認できています。しかし、増加率を見ると、他の業界も自動化を受け入れ、推進していることがわかります。ヘルスケアや製薬業界の企業が構築した自動化ソリューションの数は、過去1年間で857%も増加しており、今後も増加傾向が続くと予測されます。

ホスピタリティー業界は、過去2年間、ロックダウンや旅行制限のために外出する人が減り、苦境に立たされてきました。徐々に業界が回復の兆しを見せる中、自動化の導入が過去1年間で1518%という驚異的な成長を遂げています。

2021年に最も多く自動化されたプロセスとは

全部門で最も自動化されたプロセス トップ10

1. O2C(受注から入金)
2. DataOps
3. ITサービスマネジメント
4. セールスオペレーション
5. 従業員と職場 – IT
6. ITオペレーション
7. マーケティングオペレーション
8. カスタマーサポート
9. P2P(調達から支払)
10. R2R(記帳から報告)

上記プロセスの詳細については、このボタンをクリックしてください。

プロセスの定義について

構築された自動化ソリューションデータから統計をとると、ユーザー全体で最も多く自動化されているのは「受注から入金」のプロセスです。では、2020年と2021年を比較した場合に、最も伸びているプロセスを見てみましょう。

自動化を活用している業界 トップ10

返品・返金プロセスの自動化は、最も一般的ではないものの、増加率の点ではトップです。これは、今後顧客にとって返品・返金の対応がよりスムーズに行われるようになることを強く示唆しています。実店舗が再開されたにもかかわらず、オンラインショッピングが主要なコマースチャネルとして選ばれ続けていることから、これは自然な流れと言えるでしょう。

DataOpsは昨年のレポートでも新たなトレンドとして注目されていましたが、今年もその勢いは衰えず、332%の伸びを示しています。製品やデータウェアハウスからデータインサイトを取り出し、それを他の重要なビジネスアプリケーション(CRMやCSアプリ、あるいはSlackなど)にフィードバックすることが、ITにとってビジネス付加価値を創出する素晴らしい機会となっており、引き続き注目されるオートメーションの一つであることがわかります。

昨年、最も伸びを示したプロセスのトップ3は、DataOps、カスタマーサポート、HRアナリティクスでした。今年は、カスタマーサポートが最下位になり、HRアナリティクスがトップ10から外れています。HRアナリティクスは順位を下げましたが、採用や従業員のオンボーディングなど、人事の他の部分については引き続き高い成長が見られます。

部門別 自動化の導入率

今年のデータでは、財務/経理部門が最も自動化されています。これは、顧客からの集金と事業経費の支払いがビジネスにとって間違いなく最重要のプロセスであることから、当然の結果です。自動化することでミスが減り、タイムリーな支払いが保証され、顧客はスムーズな会計処理が可能となります。これは、最も自動化された部門としてIT部門が挙げられていた昨年のデータからの逆転現象です。しかし、IT部門は一般的に財務の自動化に深く関わっており、最高財務責任者とも密接に連携しています。

最も自動化された部門として財務がITを抜いたことは、IT部門がビジネスのイネーブラーとして機能していることを証明しています。もう一つの証明として、昨年は自動化されたプロセス全体のうち40%近くをITオートメーションが占めており、部門を超えた自動化が実現していることがわかります。

過去一年間で自動化を最も拡大した部門

上記の前年同月比の数字から、自動化が最も急速に拡大している部門がわかります。DataOpsは、過去1年間で303%という最大の増加を遂げ、過去2年間で自動化が最も進んだ部門の1つとなっています。部門全体ではIT部門が占める自動化の割合は減少していますが、それでもIT部門の自動化率は昨年240%増加しました。

2020~2022年の部門別 自動化の増加率

上記の前年同月比の数字から、自動化が最も急速に拡大している部門がわかります。DataOpsは、過去1年間で303%という最大の増加を遂げ、過去2年間で自動化が最も進んだ部門の1つとなっています。部門全体ではIT部門が占める自動化の割合は減少していますが、それでもIT部門の自動化率は昨年240%増加しました。

業務自動化の構築をしているのは、技術者やIT専門家ではなくなってきています。昨年データによると、ビジネステクノロジストがより多くの自動化を構築しています。

前述したように、今後は自動化によって平準化が大きく進むでしょう。そして、自動化を構築するユーザー層にも変化が見られます。部門をまたがるビジネステクノロジストは、自らの業務のワークフローを改善する目的で効果的な自動化を構築できるため、今後も増加すると見られています。今年主に自動化を構築していたのは、セールス、マーケティング、財務、人事、収益、カスタマーサポートなどのビジネスオペレーションの部門でした。そして、マーケティング、セールス、カスタマーサクセスの各チームにおける自動化の70%以上が、ビジネスユーザー自身によって作成されています。開発者以外の人員が大半を占めるITオペレーション/サービスマネージメントチームは、IT部門の中で最も大きな自動化構築チームです。

各部門で上位を占める自動化されたプロセスとは

IT(情シス)

ITサービスマネジメントのオートメーションは、ITの自動化されたプロセスの48%を占める

また、ITサービスマネジメントのオートメーションも235%と、2番目に高い伸びを示しています。
チケットのルーティングや承認、インシデントやリクエストの管理など、多くのITSMプロセスは自動化することが可能であり、ここでの伸び率からもわかるように、ITが組織全体により迅速にサービスを提供し、業務効率を向上させるのに役立ちます。ITサービスマネジメントは、IT部門がビジネス部門のニーズにより的確に対応し、ビジネスの成長における戦略的パートナーとなることを可能にします。

ITの中で最も伸びた分野は「ITオペレーション」だった

特に、ビジネスのデジタル化が進み、サービスの追加や拡張が続く現在では、ビジネスサービスを支えるインフラストラクチャの健全性とパフォーマンスを管理し、ソフトウェアの管理方法を検討する上でITオペレーションが重要な役割を担っています。ビジネスユーザーがSaaSやローコード/ノーコードプラットフォームを通じてテクノロジーにアクセスする機会が増える中、自動化によるエラーの削減、アプリケーションの監視、セキュリティとガバナンスの強化が重要です。

これらの上位のITプロセスのオートメーションの詳細

IT オペレーション
• 自律オペレーション
• ログ分析
• Site Reliability Operation=サイト信頼性オペレーション
IT サービスマネジメント
• サービスレベル管理
• リクエスト管理
• チケット管理
従業員と職場
• オンボーディングと異動
• ワークスペースの予約管理
• バーチャル サービス デスク
(チャットボット)

ITで連携される主なアプリケーション

これらの自動化されたITワークフローを構築するために連携される主なアプリケーションは、ServiceNow、Jira、Zendesk、Okta、Snowflake、Salesforce、Active Directory、SQL Server、PostgreSQLです。ITサービスマネジメントの自動化で頻繁に使用されているのは、SlackとServiceNowです。これらのアプリケーションは、ITサービスやヘルプデスクのプロセスを開始するためのインターフェイスとして一般的に使用されています。ITサービスマネジメントの自動化では、Slackが18%、ServiceNowが9%で使用されています。SQL Serverは、ITオペレーションの自動化の21%で、自律的なオペレーション、ヘルスログ分析、サイト信頼性オペレーションなどのプロセスの一部として使用されています。

返品・返金プロセスの自動化は、最も一般的ではないものの、増加率の点ではトップです。これは、今後顧客にとって返品・返金の対応がよりスムーズに行われるようになることを強く示唆しています。実店舗が再開されたにもかかわらず、オンラインショッピングが主要なコマースチャネルとして選ばれ続けていることから、これは自然な流れと言えるでしょう。

DataOpsは昨年のレポートでも新たなトレンドとして注目されていましたが、今年もその勢いは衰えず、332%の伸びを示しています。製品やデータウェアハウスからデータインサイトを取り出し、それを他の重要なビジネスアプリケーション(CRMやCSアプリ、あるいはSlackなど)にフィードバックすることが、ITにとってビジネス付加価値を創出する素晴らしい機会となっており、引き続き注目されるオートメーションの一つであることがわかります。

昨年、最も伸びを示したプロセスのトップ3は、DataOps、カスタマーサポート、HRアナリティクスでした。今年は、カスタマーサポートが最下位になり、HRアナリティクスがトップ10から外れています。HRアナリティクスは順位を下げましたが、採用や従業員のオンボーディングなど、人事の他の部分については引き続き高い成長が見られます。

DATAOPS
(データオプス)

DataOpsでは、オートメーションが昨年の3倍に増加

DataOps機能は、自動化の増加においてトップクラスの部門であり、過去1年間で自動化が3倍に増加しました。また、DataOpsは自動化されたプロセス全体においても上位に位置し、昨年比で332%増加しています。データウェアハウスは、DataOps内の自動化されたプロセスの61%を占めています。  

DataOpsで最も伸びた自動化プロセス(前年度比)

これらのプロセス オートメーションの詳細

DataOps
• データウェアハウス
• オペレーションデータストレージ
• マスターデータの構成
インサイトとアナリティクス
• リバースETLETL
• リクエスト管理
• チケット管理

DataOpsで連携される主なアプリケーション

Snowflakeは、自動化されたデータプロセスの一部として最も頻繁に使用されるアプリケーションの1つで、データウェアハウスの自動化の23%、オペレーションデータストレージの自動化の9%で使用されています。また、インサイトやアナリティクス、リバースETLなどのプロセスのオートメーションにもよく利用されています。リバースETLもまた、DataOpsの重要なプロセスの1つです。SQL ServerはリバースETLの自動化の32%で、Amazon S3は13%で使用されています。その他、DataOpsの自動化されたプロセスを構築するために連携されている上位のアプリケーションには、Salesforce、Netsuite、Google BigQuery、PostgreSQL、Redshiftがあります。

財務と経理

財務/経理チーム向けに自動化されるワークフローのトップは引き続きO2C

自動化されたプロセスのうち、O2C(受注から入金)が57%を占めています。しかし、昨年のレポートでは、自動化された財務/経理プロセス全体の72.5%をO2Cが占めており、他の財務/経理プロセスのオートメーションが肩を並べ始めていることがわかります。自動化を開始した企業の多くは、O2Cなどの最重要プロセスに全精力を傾けるようになります。他の財務/経理プロセスのオートメーションが進むにつれて、重要なビジネスプロセス以外についても自動化するメリットが認識されるようになり、自動化は組織の隅々まで拡大されていきます。

R2RとP2Pが急増

昨年、財務/経理の自動化に占めるR2R(記帳から報告)の割合は6.6%でしたが、今年は15%に増加し、前年比291%増と最も急速に成長しているプロセスになっています。他のデータ関連プロセスが伸びているのと同様に、財務/経理部門も組織の財務/経理実績に関する正確なデータを管理し、経営陣に提供することに重点を置いています。P2P(調達から支払)の自動化は、過去1年間で282%増加し、伸び率では第2位となっています。

上位 3位のプロセスを構成している自動化

O2C(受注から入金)
• 見積の作成と検証
注文の回収と処理
在庫の同期と報告
P2P(調達から支払)
要求の作成と承認
ベンダーマスターデータ
発注書の承認
R2R(記帳から報告)
自動化されたコンプライアンスチェック
会計照合と報告
トランザクションの抽出

財務と経理で連携される主なアプリケーション

NetSuiteとSalesforceは、財務/経理ワークフロー全般で最もよく使用されるアプリケーションです。Salesforceは、O2Cワークフローの42%、P2Pの21%で使用されています。NetSuiteは、R2Rオートメーションの29%、O2Cの25%で使用されています。その他、SQL Server、Oracle、Coupa、Shopify、Snowflake、Concur、PostgreSQLが財務/経理オートメーションの上位アプリケーションとして挙げられます。

REVOPS、セールス、マーケティング

マーケティングにおいて最も自動化されたプロセスはキャンペーン業務

キャンペーンオペレーションは、マーケティングにおいて完全に自動化されたプロセスの40%を占めており、過去1年間で287%の伸びを示しています。多くの場合、キャンペーンオペレーションのワークフローには、クリエイティブやコピーの承認、ファイルの保管、業績データの取得など、リードに関連しないキャンペーンにまつわるすべてのものが関与します。CRMシステム、マーケティングアプリ、プロジェクト管理ツールを連携させれば、キャンペーンの計画、実行、効果測定を行うことも可能になります。キャンペーンの実行プロセスを自動化することで、クリエイティブ担当者はデータ入力が不要になり、キャンペーン担当者はレポート作成から手作業を省くことができます。

リードのルーティングと管理が最優先事項

キャンペーンオペレーションはマーケティングにおいて最も自動化されるプロセスですが、ここ1年はリード管理に自動化の重点が置かれています。リードのルーティングは677%で最も伸びているプロセスですが、他にはリードのステータスに関する通知(リード追跡、393%)や高度なスコア計算(リードスコアリング、320%)などが挙げられます。

セールスオペレーションとレベニューオペレーション(RevOps)のコアプロセスのオートメーション

セールスオペレーションで重視されるのは、セールスチームがより速く、より効率的にセールス活動を行えるよう支援することと、顧客の購買体験を向上させることです。自動化により、セールスチームは雑務を最小限にして顧客との関係構築に集中することができ、顧客とのすべての接点において価値を提供できるようになります。これらの優先事項は、2021年にセールスオペレーションで最も自動化されたワークフローを見れば明らかです。チームは、売買契約の自動生成と管理(31%)によって手動作業を削減し、商談ライフサイクルの各ステージで担当者に適切な情報を提示しています(20%)。

マーケティングと同様、セールスにとってリードは最優先事項であり、MQLルーティングは460%と昨年から最大の伸びを示しました。商談の全体像を把握するための支援(ディールインテリジェンス、433%の伸び)、およびセールスの会話から得られるAIとNLPのインサイトを最大限に活用すること(カンバセーションインテリジェンス、400%の伸び)に、より多くの努力が注がれており、カンバセーションインテリジェンスは、自動化されたセールスオペレーションプロセスの上位にも占めています。  

マーケティングオペレーションにおけるリードのルーティングと管理の高い伸びと同様に、セールス担当者が商談を取りまとめできるよう、有望なリードとその関連情報をできるだけ早く届ける目的で自動化の利用が重視されていることがわかります。 

上位 3位のプロセスを構成している自動化

セールスオペレーション
• MQL ルーティング
• ディールインテリジェンス
• カンバセーションインテリジェンス
• リードの発掘から売掛金回収
• パイプライン管理
マーケティングオペレーション
• ルールベースのリードルーティング
• リードの追跡
• リードのスコア計算
• キャペーンオペレーション
• リードの取得

セールスとマーケティングで連携される主なアプリケーション

セールスおよびマーケティングのワークフローの一部として連携されている主なアプリケーションは、Salesforce、Marketo、Slack、SQL Server、HubSpot、NetSuite、Microsoft Dynamics CRMです。Salesforceは、ほとんどの自動化で使用されている最も一般的なアプリケーションです。たとえば、Salesforceはキャンペーンオペレーションの自動化の46%、リードとコンタクトのエンリッチメントの自動化の48%で使用されています。また、Slackはマーケティングとセールスにまたがって使用されているアプリケーションの上位を占めています。SlackをマーケティングオートメーションプラットフォームやCRMと連携させることで、セールス担当者へのリード情報のルーティング、商談情報の更新、アプリ内での案件の承認が可能になります。Slackは、MQLルーティングの自動化の32%、マーケティングの自動化とCRMの同期のプロセスの9%、マーケティングオペレーション全体の自動化の7%で使用されています。

人事(HR)

これまでと変わらず、人事において最も自動化されたプロセスは従業員のオンボーディング

オンボーディング業務のオートメーションは過去1年間で256%増加し、自動化された人事プロセスの20%を占めています。リモートワークやハイブリッドワークが今後も継続されることを受け、場所に関係なく従業員向けにオンボーディングプロセスを効率化することが優先事項になっており、自動化により応募者のデータをプラットフォームへ自動的に移動したり、署名が必要な内定通知書を送信したり、必要なアプリケーションやデバイスを用意したり、給与を更新したりできます。

人事オートメーションの中心にあるのは従業員エクスペリエンス

優秀な人材の獲得競争の激化と「大量自主退職時代(Great Resignation)」の到来によって、採用から始まる従業員エクスペリエンスにさらなる注目が集まっています。人事オートメーションは、採用プロセスを合理化し、優秀な候補者をより早く組織内に取り込むための手段です。採用の自動化は、昨年316%増加しました。パフォーマンスと能力開発に関する自動化も275%増加しており、従業員が組織にとどまりキャリアを伸ばせる環境づくりの必要性が浮き彫りになっています。

上位 3位のプロセスを構成している自動化

採用
 • 面接の日程調整
• 履歴書のチェックとバックグラウンドチェック
• ATS/HRSの同期
パフォーマンスと社内教育
 • トレーニングの登録/キャンセル
トレーニングのフィードバック調査
• 四半期ごとの評価/リマインダー
従業員のオンボーディング
 • オリエンテーションの日程調整
 • ルールベースのITリクエスト
 • 1日目、7日目、30日目の調査

人事オペレーションは、人事チームにとって重要な役割となっており、今後は自動化の割合が増加する

「人事部のプロフェッショナルは、自動化で何ができるかを知らない人が非常に多いと思います。
人事部門がオートメーションの可能性を認識し始めれば、彼ら自身が自動化を構築するようになるでしょう。
そして、人事の自動化の数は増加の一途をたどると予想しています。」

と、Workatoのタレント&ダイバーシティ担当バイスプレジデントのKerry Mooreは述べています。

HRで連携される主なアプリケーション

人事オートメーションの一部として連携されている主なアプリケーションは、Workday、Greenhouse、DocuSign、BambooHR、Okta、Google Calendarです。WorkdayとOktaは、従業員オンボーディングワークフローにとって重要なアプリケーションです。Workdayは従業員オンボーディングの自動化の6%で、Oktaは10%で使用されています。SlackとMicrosoft Teamsも人事のオートメーションで頻繁に使用されています。Slackは、内定通知書の送信、求人情報の設定と承認、候補者と話した後に面接官にスコアカードの記入を促すなど、採用業務の自動化の24%で使用されています。Microsoft Teamsは、従業員オンボーディングの自動化の5%で使用されており、IDやアクセスのプロビジョニング、必要なアカウントやアプリケーションのセットアップの要求、その他新入社員の初日に必要となるあらゆることを支援します。

カスタマー

サポート

自動化によるカスタマーエクスペリエンスの向上

顧客オペレーションの一環として、顧客エクスペリエンスとNPS調査の自動化が過去1年間で378%増加したことは、顧客ニーズを理解し、フィードバックを求めることの重要性を示しています。自動化により、お客様の声をより早く、より広範囲で入手することが可能になりました。また、カスタマーサポートの一環としてチャットボットが多用されるようになり、顧客の質問や問題により迅速に対応する必要性も明らかになっています。バーチャルエージェント(チャットボット)の自動化は、前年比397%増と最も伸びたプロセスでした。

返品・返金の自動化が進む

返品と返金の自動化は、過去1年間で338%の伸びを示しました。これは、多くのカスタマーサポート業務がデジタル化されたことにより、昨年最も急増したカスタマーサポートプロセスの1つでもあります。オンラインショッピングは過去数年間で飛躍的に成長し、その結果、企業は迅速かつ効率的な返品プロセスを必要としています。

上位 3位のプロセスを構成している自動化

返品・返金
• 返品承認(RMA)処理 • キャンセルと払い戻し

• 紛争とチャージバック

カスタマーサポート
 • サポート依頼とエスカレーション
• バーチャルエージェント(チャットボット)
顧客オペレーション
 • カスタマーエクスペリエンス、ネットプロモータースコア(NPS)調査
 • セールスからカスタマーサクセスへの引き継ぎ
 • 顧客のオンボーディングとトレーニング

カスタマーサポートで連携される主なアプリケーション

これらのプロセスで使用されている主なアプリケーションは、Salesforce、Zendesk、ServiceNow、Jira、NetSuite、Microsoft Dynamics CRM、Microsoft Teams、Slackです。顧客アカウントに関連する顧客オペレーションでは、自動化されたプロセスの41%でSalesforceが、11%でSlackが使用されており、解約検知、アカウント管理、新規顧客のオンボーディングを支援しています。カスタマーサポートのチケット、リクエスト、エスカレーションへの対応においては、17%でZendeskが、13%でJiraが使用されています。

地域別 自動化の伸び率

ヨーロッパ、中東、およびアフリカ(EMEA)

2021年に自動化されたプロセス トップ10
1. R2R(記帳から報告) 6. DataOps
2. ITオペレーション 7. セールスオペレーション
3. マーケティングオペレーション 8.カスタマーサポート
4. P2P(調達から支払) 9. ITサービスマネジメント
5. 従業員と職場 – IT 10. O2C(受注から入金)

EMEAで作成されたすべての自動化ソリューションを見ると、R2R(記帳から報告)が最もよく自動化されているプロセスです。また、2020年から2021年にかけて最も伸びたプロセスを比較すると、過去1年間で364%の伸び率を記録しているR2Rがトップとなりました。ITオペレーションもEMEAの組織にとって重要な分野であり、過去1年間に自動化されたプロセスは297%の伸びを示しました。

EMEAでは人事オートメーションが注目されている

過去1年間で、従業員オンボーディングの自動化は269%、採用プロセスの自動化は243%増加しました。新入社員が内定を受けてから入社するまでの通知期間は、世界各国で大きく異なり、EMEAでは数ヶ月に及ぶことがよくあります。Workatoのタレント&ダイバーシティ担当バイスプレジデントKerry Mooreは、新入社員が入社前から会社とのつながりを感じることができるように注力することを推奨しています。

「社員とすぐに打ち解けるための独自の方法を見つけることは、今も、そしてこれからも非常に重要です。そのためには、パーソナルなエクスペリエンスを提供する必要があります。自動化することで、担当者が手動で管理しなくても、従業員とのやりとりの中でパーソナライズされた体験を作り出すことが可能になります」とMooreは述べています。

伸び率が最も高いプロセス(全部門)

アジア・太平洋諸国、および日本(APJ)

2021年に自動化されたプロセス トップ10
1. R2R(記帳から報告) 6. O2C(受注から入金)
2. P2P(調達から支払) 7. セールスオペレーション
3. マーケティングオペレーション 8. ITオペレーション
4. カスタマーサポート 9. ITサービスマネジメント
5. DataOps 10. 従業員と職場 – IT

2021年に作成されたすべての自動化ソリューションを見ると、APJで最も自動化されているプロセスの中に、マーケティングオペレーションとカスタマーサポートが含まれます。マーケティングオペレーションの自動化は2020年から2021年にかけて380%の伸びを示しています。この数字は、ビジネスを成長させる上でリードの追跡と管理、アナリティクスを利用してパフォーマンスを報告すること、そして効率的なキャンペーンを行うことの重要性を示しています。

「社員とすぐに打ち解けるための独自の方法を見つけることは、今も、そしてこれからも非常に重要です。そのためには、パーソナルなエクスペリエンスを提供する必要があります。自動化することで、担当者が手動で管理しなくても、従業員とのやりとりの中でパーソナライズされた体験を作り出すことが可能になります」とMooreは述べています。

EMEAでは人事オートメーションが注目されている

過去1年間で、従業員オンボーディングの自動化は269%、採用プロセスの自動化は243%増加しました。新入社員が内定を受けてから入社するまでの通知期間は、世界各国で大きく異なり、EMEAでは数ヶ月に及ぶことがよくあります。Workatoのタレント&ダイバーシティ担当バイスプレジデントKerry Mooreは、新入社員が入社前から会社とのつながりを感じることができるように注力することを推奨しています。

伸び率が最も高いプロセス(全部門)

すべての自動化されたワークフローで使用されているアプリケーション トップ10

世界中で使用されているアプリケーション トップ10

グローバルのユーザーに使用されているのアプリケーションのトップ10は昨年とほぼ変わっておらず、Salesforceがトップという当然の結果となっています。2位も変わらずSlackがランクインしています。NetSuiteは3位から4位に後退し、SQL Serverがその座を奪いました。Snowflakeは8位から5位に順位を上げており、DataOpsへの注目が高まっていることがうかがえます。

ヨーロッパ、中東、およびアフリカ(EMEA)で使用されているアプリケーション トップ10

アジア・太平洋諸国、および日本(APJ)で使用されているアプリケーション トップ10

まとめ

自動化はもはや企業にとって「あれば便利」なものではなく、「成長するためにはなくてはならない」ものです。

組織のデジタル化が進み、顧客とのやりとりの大半がオンラインで行われるようになると、必要とされる企業であり続け、規模を拡大するには自動化を進める必要があります。

自動化することで、企業はよりアジャイルで効率的、革新的になり、変化する市場に俊敏に対応できるようになります。これは、過去数年間で非常に重要なことでした。

今年のデータからわかる通り、自動化はもはやIT部門や技術者だけで取り組むものではなくなっており、より多くの従業員がエンタープライズオートメーションの戦略的・戦術的メリットを認識するようになり、ますます多くの部門で導入が進むでしょう。来年も引き続き、自動化されたユースケースやワークフローは多様化し、ビジネステクノロジストが自動化を大きく牽引するものと思われます。

これは、ビジネス部門とIT部門が協力して、より優れたビジネスソリューションを提供する自動化された戦略的企業を実現する機会であるとWorkatoは考えます。IT部門の役割は、デリバリーからビジネスのイネーブラーへと移行しつつあり、今後の焦点は、ビジネスユーザーがこれまで以上にセルフサービス方式でエンタープライズオートメーションを追求できるよう支援することにあります。

調査方法

本レポートは、自動化をビジネスに活用している中規模企業(年間売上高5,000万ドル~20億ドル)からエンタープライズ企業(年間売上高20億ドル以上)のWorkatoのユーザー企業900社から収集した、匿名データをもとに作成されています。対象となった企業で2021年2月から2022年1月までに作成されたすべての自動化ワークフローを調査するとともに、2020年2月から2021年1月までの期間と比較して、前年比の傾向を調査しました。また、ワークフローを作成している従業員の職種を特定し、自動化を構築したIT専門家とビジネスユーザーの相対的比率を明確化しました。

Work Automation Index 2022

〜 業務自動化の動向調査 2022年版〜

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